戸建住宅は長く住まれる人が多いです。戸建住宅でのインテリアコーディネートのタイミングは新築のときもあるし、何年も住むなかでインテリアを変えてみたいという気持ちが生まれご依頼される場合もあります。長く住まれるということから長く使える家具が良いというお声は多いです。
長く使える家具というのは3つの視点があります。



1つ目は「機能性に優れている」ことです。機能に優れた家具だからこそ使い心地が良く愛着を持って使い続けられます。例えばメンテナンス性に優れたメラミン化粧板のテーブルは機能面では優れています。
また機能性のひとつとして「汎用性」があることもあげられます。テーブルでも天板面のサイズを伸縮できるエクステンションテーブルは1人用のワークデスクから大人数で食卓を囲めるダイニングテーブルのとしても使え、ライフスタイルや設置場所が変わっても使える長く使いやすい家具といえます。


2つ目は「耐久性がある」ことです。椅子の脚が折れたり、チェストの引き出しが開きにくくなったり、ペンダントライトの電球がつかなくなったり。そのような「壊れ」は避けたいはずです。
高い家具ほど耐久性は高いのか。そうとは言えません。
海外ブランドによっては高価でもすぐに椅子脚が折れたり、逆に岐阜県飛騨高山の家具は耐久性に優れているものが多い。
アンティークの照明器具より有名家具量販店の照明器具の方が耐久性に優れていることは多いです。
これはプロでもわからない人は多いです。

また使い方や構造、設置場所でも「壊れ」は変わります。ソファは負荷がかかりやすいので消耗しやすいが、洗える生地であったり内部のウレタン、生地が交換できるタイプだと一生使うこともできる。ホームセンターにあるような3段のカラーボックス収納は大人が普通に使っているだけであればそうそう壊れません。

住環境を考え、家具の知識があるからこそ安価でも長く使えるインテリアの提案ができます。


3つ目は永きに渡り評価されるデザインであること。
今は美しいと思えるデザインでも自分が年老いたときに美しくない、似合わないと感じるデザインではいけません。また時代によって評価されるデザインは変わるので今の時代だけ世間的に評価されるデザインでもいけません。
「クセのないインテリア」「シンプルなインテリア」が永きに渡り評価されるインテリアとして一般的にあげられます。もちろんこういった要素は考えるべき点ですがそれだけではいけません。お客様の価値観や性格によって永く愛されるデザインは変わります。

また、長い視点でみるため「経年変化が美しいかどうか」も考える必要があります。家具を長く使っていくことで色味や風合いが変化してもそれが美しい変化であれば長く使えるということ。代表的なものとして無垢材のオイル仕上げの家具がありますが価格は安くはありません。全てを無垢材の家具で揃えるというのは経済的負担は大きくなります。
無垢材以外の安価なもので経年変化が美しい、経年変化しにくいものもあります。
スチール製でもデザインによれば変化が美しく見えたり、樹脂でも黒やグレー色であれば変化が目立ちにくい。
そして、そもそも住環境や設置場所によって家具の消耗のしやすさは大きく変わります。

そういったさまざまな視点とコストを考えて長く使える家具を提案する必要があります。