北欧インテリアは皆さんご存知でしょうか。これからお部屋づくりをされる、お部屋づくりをコーディネーターに依頼・相談するとなれば好きなインテリアを考えるうえで多くの人が候補の一つにはなるのかなと思います。
そんな北欧スタイルのインテリアコーディネートについて解説したいと思います。
目次
北欧スタイルのインテリアコーディネートは現在もっとも人気のスタイルです。ゆえに北欧インテリアを知っている人は多いですが実はその中でも細分化できて、「北欧ヴィンテージ 」「北欧ナチュラル」「北欧モダン」というスタイルがあります。例えばIKEAは北欧モダン寄りのスタイルと言えます。
そんな北欧スタイルの特徴は下記の4点です。
IKEAのアイテムもそうですがすっきりしていてシンプルなんだけどどこかデザイン性を感じませんでしょうか。ちょっとした美しい曲線であったり、家具に細い脚を取り付けたり。そんなシンプルなんだけど美しいのが北欧家具の特徴です。北欧家具の歴史は長く19世紀中頃には現在でも愛されるデザインの家具が多く生まれています。それだけ北欧諸国はデザインの歴史からうまれるデザイン力は高く、長く飽きないプロダクトを今でも生み続けているのです。
北欧は昔から他国と比べて日照時間が短く、それが故に家での照明の使い方を追求されました。そこで生まれたのが「一室多灯使い」の照明です。
1部屋に複数の照明器具を灯す。そうすることで明るい箇所と暗い箇所のある立体的で心地良い空間が生まれます。これは北欧スタイルの定番のテクニックです。
ただし一室多灯には問題点もあります。それは
・照明器具が多いので電気をつける、消すの作業が面倒。
・照明器具が多いので照明器具の配線コードが露出され生活感が出てしまう
・暗いところがあるということは夜暮らしにくくなる可能性がある。
ということです。
ですので私が北欧スタイルのコーディネートをする場合は一室多灯と一室一灯の両方の過ごし方ができるような照明計画を考えることがあります。ひとつだけでお部屋全体を明るくする照明器具(シーリングライト等)と部分的に明るくする照明器具(ペンダントライト等)のいずれもコーディネートするということです。
そうすることで例えば子どもが室内で遊ぶときは全体照明をつけ、子どもが眠りについて大人だけのリラックスタイムを過ごすときは間接照明だけをつけるというバリエーションが増えます。
照明にこだわる方というのはバリエーション豊かな灯し方ができる照明計画にするのはおすすめであります。
また、私が照明計画をご提案する際は電球のスイッチの位置やリモコン式の電球を応用しできるだけ「つける・消す」の作業負担が少ないよう考えたり、配線コードが目立たないようなレイアウトを考えるようにしています。
北欧といえばマリメッコ等有名なテキスタイルブランドがあります。マリメッコにみられる柄の入ったテキスタイル、有彩色の無地のテキスタイルを部分的に使うのも北欧インテリアの特徴です。
よくインテリアはメインカラー70%、アソートカラー25%、アクセントカラー5%といってアクセントとして有彩色を差し色に使いましょうと言われます。
ただ、もちろんこのスタイルも良いのですが必ずしもアクセントカラーが必要とは私は考えていません。アクセントカラーのないモノトーンだけやモノトーン+木のブラウンだけで構成される空間も美しく、逆にアクセントカラーがないことで飽きのこない空間を作れるとも言えます。
お客様のニーズに応じてテキスタイル等で差し色を使う使わないということを判断していく必要があります。
北欧モダンではあまり見られませんが北欧ナチュラルや北欧ヴィンテージ ではプロダクトに使用されるマテリアルの素材感を大切にしています。
家具のマテリアルで最もイメージされるのは木だと思います。
木のもつ色味、木目柄、質感、肌触りといった特性を全面的に家具で表現していてるのは北欧家具の特徴と言えます。
これは昔からの話でいわゆるミッドセンチュリーと呼ばれる1950年前後の北欧の家具も木で作られており木のもつ美しさをふんだんに感じることができます。
それもあって北欧ミッドセンチュリーの家具は今も根強い人気があり高値で取引され入手も困難になりつつあります。
北欧モダンスタイルはモノトーンカラーのアイテムをメインで使うことをベースとしましょう。
黒、白、グレーのモノトーンカラーの割合がお部屋全体の80パーセント以上を占めるようにしましょう。モノトーンカラーだけの空間にしてももちろんかまいません。
そして残りの0〜20%の部分に関しては観葉植物のグリーンでもよいですし、家具や小物で有彩色をアクセントに使っても良いです。有彩色の色は基本的には問いません。
また木の素材の色(ブラウン)でも構いません。
ここで疑問に思う方もいるかと思いますがお部屋のモノトーンカラーの割合を80%以上にするとなるとフローリングや壁はモノトーンカラーにしないといけないのではと思うかもしれません。フローリングや壁ってお部屋のなかでも視覚的にかなりの割合を占めると思います。
確かにフローリングや壁もモノトーンカラーだと良いのですが、有彩色や木の木目でも構いません。80%以上をモノトーンカラーにするというのはあくまでもお部屋で使用する家具や小物を指します。
賃貸マンションなどではどうしてもフローリングや壁のデザインは変えにくいです。フローリングは特に賃貸では木目のデザインが使用されていることが多いですが木目のデザインのなかでもダークブラウンの色のフローリングが最も北欧モダンインテリアを再現しやすいと言えます。
北欧ナチュラルスタイルは木が欠かせません。木製の家具や部分的に木を使用した家具をメインで使用するようにしましょう。
そして木の素材に関しては統一感を出すために同じ種類、色味の木で統一させたほうがよいです。
木の種類としてよく使われるのがオーク材、チーク材、ウォールナット材などありますが北欧ナチュラルであればオーク材で統一、アルダー材で統一すると木目や色味的にも相性が良いです。
フローリングに関してはさすがに家具に使用する木と同じものというのはなかなか難しいですし揃える必要性はありません。
ただウォールナット材のようやダークブラウンや大理石のようなモノトーン系はダメで、あくまでもナチュラルやブラウン系の木目のフローリングが望ましてです。
もちろん木だけでインテリアを成立させるわけではなく、ソファやラグにファブリックを使ったり、観葉植物も設置してOKです。
ファブリックに関してはグレーやイエローグリーン、観葉植物なら葉色が深緑ではなく黄緑色に近いものがおすすめ。フィカスウンベラータは北欧ナチュラルインテリアに相性が良いです。
ヴィンテージとは古いものを指しますがヴィンテージ調のダメージ加工等をした新品も存在します。しかしできれば本当のヴィンテージ品(アンティーク品)を北欧ヴィンテージインテリアでは使ってほしいです。
ヴィンテージ家具で有名なものとしてフランス、イギリスがありますが北欧もその次に有名でして店舗やネットショップでも買うことができます。
北欧ヴィンテージ家具はだいたい1950年から1960年代に作られたものを指します。お値段的にはお安くはありませんが本当のヴィンテージ品だからこそ生まれる傷や風合いが大変魅力的です。
北欧ヴィンテージ家具の特徴はチーク材を使用した少し赤みのある茶色の色味です。
お部屋作りの際はこのチーク材のヴィンテージ 家具をメインで使っていきましょう。
フローリングも木目が相性が良いですがナチュラル色のような薄いブラウンでは相性は悪くいわゆるミドルブラウンからダークブラウンの間の木目のフローリングが良いです。
そして観葉植物のグリーンやファブリックの有彩色ももちろん使用してオッケーです。
ファブリックの有彩色としてネイビーとイエローは北欧ヴィンテージと特に相性が良い色と言えます。
また北欧ヴィンテージと真鍮ゴールドは相性抜群です。
真鍮のゴールドは独特のダメージ感や抑えめの光沢がありヴィンテージ家具と組み合わせると間違いなく合います。
ヴィンテージスタイルのメリットとして経年変化が美しいことがあります。
モダンインテリアは綺麗で洗練された商品が多いので何年何十年として商品が劣化や傷が入るとその美しさを失っていくことになります。
逆に北欧ヴィンテージインテリアは古さや傷から出る風合いが魅力なのでさらに年数が経ってもより魅力が増すとも言えます。
しかし本物のヴィンテージ家具は古さゆえの壊れやすさはあります。ただその壊れを修理できるのであればその修理の痕跡も北欧ヴィンテージ 家具のもともとの傷との相性で不細工に見えないというメリットはあります。
北欧スタイルは全体として心地が良くて飽きない長く使えるインテリアと言え、お部屋をどうしたいか分からないなんていう方にもおすすめできるスタイルと言えます。
そして最も多くの人に気に入ってもらえるインテリアスタイルでもあるので友人等来客された方に良い印象を与えたいと思う方にもおすすめします。
私自身、北欧のブランドを専門で扱うインテリアショップで働いた経験もあり北欧インテリアに精通しているのでご依頼、ご相談頂けたら北欧スタイルのインテリアコーディネートももちろんさせていただいております。
今回、1番ポピュラーであるため北欧スタイルを取り上げてみましたが、もちろん和モダン、シャビーシック、カフェスタイル等インテリアスタイルをあげるときりがないですがそれぞれのインテリアスタイルのコーディネートは手掛けますし、インテリアスタイルに固執しない唯一無二の空間づくりもしております。