AI、生成AIの技術はさまざまな問題を解決できています。動画やロゴデザイン、文章作成等多岐に渡ります。
ではお部屋づくり、インテリアコーディネートはAIの技術で解決、依頼できるのでしょうか?AIでおしゃれで理想的な空間は一瞬でつくってくれるのでしょうか?
AIでインテリアコーディネートとなると、可能性として考えられるのはお部屋の写真を送ったらAIが勝手にソファやテーブルや照明をコーディネートされたお部屋がCGにて再現されるというものかと思います。
家具の購入や配送設置は当然AIではできないのであくまでもCGによるイメージの完成なら考えられます。
オンラインインテリアコーディネート74はプロのインテリアコーディネーターが1からインテリアコーディネートをしCGにてお部屋を再現するため、AIで自動的にお部屋作りができるとなるとかなりの強力なライバルとなるため、私自身どのようなものなのかをリサーチをする必要がありました。
↑こちらは生成AIを使わずにインテリアコーディネートをさせていただいたお客様のイメージパースです。
目次
AIの技術でインテリアコーディネートができるのでしょうか。
実はAIの技術で家具等を配置したものを再現するツールはあるのですが、どれも実用性があり使えるのかというと微妙です。
まず、お部屋をカメラで写すだけでCGで再現みたいなのはありますが精度は悪いです。そもそもお部屋のサイズが正確に再現できないのです。
計測アプリというのもありますか計測アプリも正確に計測してくれないことも多く、インテリアコーディネートにおいてはサイズが誤っているというのは致命的であります。
そもそもAI技術には細かいとこへのクオリティがまだ欠けているなと思います。ロゴデザインとかはもちろんできますが深い思考のあるロゴデザインとなると難しいです。
インテリアコーディネートはロゴデザインとは異なります。正確性の低いなんとなくの完成イメージくらいならAIである程度作れますが、サービスとして不十分であります。
私が使っているお部屋完成イメージを作る3Dパースのソフトでも生成AI機能は搭載しております。
実際に生成AIを使ってみて作ったパースがこちらになります。
ぱっと見はきれいなのですが、実は多数の問題があります。
・そもそもAIで作られたお部屋の家具が市場に存在しなかったり高額で手に入りにくかったりする。
・プロとしておすすめできる家具ブランドがあり、逆におすすめできない家具ブランドもある。AIではそこの分別がつけられない。家具はデザインだけでなく素材のもつ特徴や、機能面も考えなければならない
・賃貸か持ち家かでインテリアの提案の範囲は違ってくる。例えばバーチカルブラインド(縦型のブラインド)や壁掛けテレビは賃貸物件でもできないことはないが専門知識もいるし、設置リスクも伝えないといけない。壁固定するシェルフも重量のあるものは賃貸物件への設置は難しい。AIはそういった思考はないまま、賃貸・持ち家問わず壁掛けテレビやバーチカルブラインドや壁固定のシェルフを提案したりする。
・家族構成や年齢層でインテリアの提案するアイテムも変わってくる。例えば小さいお子様のいる環境ではガラステーブルや角が尖っている家具は提案しないほうがいいがAIではそういった配慮はできない
・施工のこと、搬入経路のこと、コンセントの位置など実務的なことも考えないといけない
・天井の照明も本来はお部屋の真ん中に引っ掛けシーリングが1か所あるお部屋にもかかわらず勝手にコーニス照明が設置されており現実的に設置が難しい
など多くの問題が出てきます。
家具というのは単純にデザインだけで決めるものではありません。素材による違いや機能的な違いもあります。
例えばダイニングチェアを例にとってみましょう。
ダイニングチェアをデザインだけで決めてはもちろんいけません。
・肘掛けがあればくつろぎやすい、しかしそれだけ椅子の幅が広くなるので小さいダイニングテーブルには肘掛け椅子を置くと窮屈になる、また肘掛けの形によってはダイニングテーブル下にしまおうとすると肘掛けがぶつかってしまうのでダイニングテーブルとのサイズの相性や設置スペースも考えないといけない。また肘掛け椅子の形状によってはダイニングテーブルに引っ掛けることができるのでお掃除ロボットでダイニングの掃除がしやすい
・座面はファブリックやレザーだとクッション性もある。ファブリックは汚れに弱いためお子様のいる環境ではカバーリングの洗えるタイプが良いし、レザーであれば拭き取りもしやすい。木の座面はメンテナンス性は良いが固かったり、冬は冷たい等のデメリットはある
・椅子は出したり引いたり動かすことが多いからこそ軽いものがおすすめ。例えばオフィスチェアのようにダイニングチェアでも座面が回転する機能もありますが重いというデメリットもある。
・木のオイル仕上げの椅子、木のウレタン仕上げの椅子、プラスチックの椅子、スチールの椅子、レザーの椅子など素材によってメリットデメリットは様々ある
・座面の高さ、座面の広さ、背もたれの高さや形状によってもくつろぎやすさは違うし、体型よっても適切なサイズは変わる
などなど他にもあります。インテリアコーディネーターは椅子選びでもデザイン以外でこのようなことを考えますがAIではそのようなことを考えることはできません。
お部屋作りをする上で家具の購入や搬入組立設置のことまで考える必要はありますがAIではそこまでを考える、対応することはできません。
楽天やAmazon等で家具を買うのも良いですが、搬入組立設置のことも考えないといけません。一人暮らしの女性が大きなソファやカップボードが佐川急便等で届いたとしてお部屋までの搬入や組立ができるでしょうか。
オンラインインテリアコーディネート74は楽天等のサイトからも家具をご提案するけど搬入組立設置サービスも全国で対応しているのでご予算や希望に合わせて使い分けるようにしています。
やはりインテリアコーディネートにおいてはデザインの提案だけでなく、最後の購入や搬入組立設置のことまでワンストップで提案してくれるほうが良いと思います。
これまでの文章を読んでみてわかると思いますが、AI完結でのインテリアコーディネートの依頼は難しいと思います。
私自身、AIの技術を使うことで素早くCGが作れ、細かい個々のアイテムの提案は自分の力でするという手法も考えましたが、AIで作るCGのインテリアコーディネートはひどいものなので採用は無理と判断しました。
やはり古典的なやり方にはなりますが、インテリアコーディネーターが個別に案件ごとに1から対応する方がクオリティの高いインテリアコーディネートができます。
今後も一案件一案件のインテリアコーディネートのご依頼を丁寧に対応していきたいと思います。